マザーアースのパートナー企業様の声

Voice of partner companies

共生社会の実現の為には「障害のある人もない人も共に働く事」が必要です。ここではマザーアースが常日頃協力をお願いしているパートナー企業様をご紹介します。

Case 01
ケース1
新発田建設株式会社 代表取締役社長 渡邊様

新発田建設株式会社様は学校や教会、新発田市役所、新発田城三階櫓など新発田市のランドマークを多く手がける建設会社です。清掃業務の委託から始まり、障がい者雇用を含めたディーセント・ワークの実現へ向け積極的に取り組む、マザーアースの心強いパートナーです。今回は社長の渡邊様、小島さんと一緒にお話を聞きました。

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就労に向けたプログラム

渡邊: とある会合に行ったんですよ。そうしたら、マザーアースの役員の方もいらっしゃって、そこからでしたね。そこでマザーアースさんという名前をお聞きしました。

秦: その当時うちも利用者さんがいっぱいいる中で、売上も上げていかなければいかない。当時はなかなか生産活動は苦戦していたところでいろいろな地元の企業さんの助けを借りながら・・・、とは考えていましたが、はてどうすれば良いかと悩んでいました。

そこでまずは現場の清掃の仕事をやらせてもらいました。

渡邊: 我々も、何をお願いしたらいいのだろうか、どこまでお願いできるのだろうか ということは、こちらでは浮かびませんでした。

秦: そうですよね。福祉施設が何ができるのか 分からないし、 あまり無理なことをさせても負担をかけるのではないかという心遣いもあって 、企業と福祉施設とはなかなか接点が無いですから。 そこで、こちらから現場の清掃の仕事をご提案させて頂きました。

小島: 色々な現場の清掃をやってもらいましたね。

秦: 私も元々建設会社にいましたので、現場の厳しさとか大変さとかは理解していますが、そんな思いをよそに、現場の所長さんはじめ皆さん優しくしていただいて。

小島: それからいくつか現場の清掃をしてもらいましたね。

渡邊: それから広げていこうという時に、スキャンの仕事につながっていくという。

小島: 去年の8月からしてもらっています。

渡邊: もともと膨大な図面をデジタル化したいという要望は以前からありました。当初は、別の作業工程を考えていたのですが、マザーアースさんの方から効率的な方法を提案頂きまして、ちょうどバッチリその仕事とはまったというか。

秦: 当初のご相談では、職員と利用者で来て毎日スキャンするという事だったのですが、それだとこちらの人員的な負担もあったり、効率の面で、一旦図面を持ち帰って、施設内で、こちらの機材でスキャンする方法を考案しました。

渡邊: 大変良い提案をして頂きました。作業工程がいくつかあるから、作業分担をして、それぞれの方が得意な事をしてもらえるという事もお聞きしてたので、それも良かったのではないかと。

秦: そうです。パソコン作業が苦手だったりしても、撮影の仕事はできるとか、この作業に関わることができない利用者はいないんです。何かしらできます。施設に来れない人にも、在宅で仕事をしてもらう、という事で、画像の修正作業は在宅の利用者さんにお願いしています。

小島: 仕事の進め方も良くなってきました。前は聞きたい時に電話を頂いてたんですけども、都度仕事の中断にもなるので、最初に来ていただいた時に質問を箇条書きで作ってきていただいているんですよ。それは本人たちの前準備と言うか、その準備をするということと、ここに来て効率よく仕事をするということで、他人を思いやる訓練をきっとやられているのではないかという風に思っていて、前に比べると本当にすごく効率が良くなったという風に思っています。

インタビューの様子
やりがいのある仕事について

渡邊: 私はそれに加えて、秦さんがどこかのインタビューでお話していた、ディーセント・ワーク、人間としてやりがいのある仕事という考えを聞いて、「ああ、そういう事だよな」と思って。なんでもいいから仕事をしてもらうという事ではなくて、その人の人生にとって糧になるようなやりがいのある仕事をしてもらえたらこちらも嬉しい。

秦: そうですね。そこは健常者も障がい者もなく、同じことですね。今我々のなかで問題意識として持っているのは、どんどんスキルアップしたいというニーズを持った障害を持った方に対して道がないんですね。なので障がい者雇用枠としての求人はあるのですが、能力も意欲も高い人が入ってしまうと、なかなか上手くいかなくて。 いろんなキャリアプランを社会の中で設定してあげると私はうまくいくんじゃないかと考えています。

渡邊: 本人が自分のスキルで稼げるようになると、あの人がやってるのだから私もやってみようと、そういった流れができないかなと。何よりも、さっきのお話に出ていたディーセントワークにつながるのではないかと思います。本人がもっと自分のスキルで稼げるような人が何人かでもいれば変わるのではないかと。あの人がやってるのだから私も行ってみようと。

秦: 下越圏と言うとなかなか障がい者雇用も枠としてはかなり限られていまして、多くの仕事はブルーワーク中心という状況です。そうなると通所に困難がある方、在宅での仕事を望まれる方や体力的に難しいという方には、障がい者雇用枠の中で仕事をしようとすると、なかなか難しいんです。そこをちょっと変えたいなということで、在宅でできる仕事をどう作っていくかが今後の課題です。

デジタル化と今後の障がい者雇用のあり方

渡邊: 安全書類とかそういうのも 今は協力業者さんから出してもらってますが、 今プラットフォームを作ってそこにデジタル化をしてやっていこうと計画しておりまして、作業がデジタル化する事で、 そういったこともできると思うんです。 ますます世の中がデジタルになるので、もっと関わって頂けるところはないのだろうか、という事を考えていきたいです。 企業も変わっていかなければならず、多様な働き方のニーズにどう対応していくかが課題だと考えています。建設会社の業務の中でも、様々な派生した事務作業があります。これをいろんな形に分担してもらうことで、本業のものづくりに現場の職員は注力できるという環境を仕組みとして作っていく、何人かのスーパーマンで回すのではなくてやはり会社はチームでやっていかなければならないので 。そういった意味では、ちょうど今時代は移行期間になってると思います。

秦: 我々も漫然と従来型の職業訓練をするのではなくてDXを始めとした企業の人材ニーズを理解した上で、地元の企業さんにこういった能力が持った人がいますよとかそういうアプローチを含めた情報提供をしていく必要があると考えています。

渡邊: そういった事を、日々当事者と接している福祉施設さんがその辺ををマッチングなりコーディネートしたりしてくれると私たちもありがたいなと思います。

秦: 今日はありがとうございました。